テカリ・アタリについて
紺や黒などのウール素材による学生服やスーツ、またコートなどで肘やポケット付近、臀部や腰ポケット付近などが気付いたら“光って”
見えるようになっていたなんて経験はないでしょうか?
○ テカリ・アタリって?
テカリやアタリとは、生地がつぶれてツルツルになり、光(太陽光や蛍光灯など)
が反射してしまう(光ってしまう)現象です。
また、テカリとアタリは結果は同じでも発生原因により、
言葉の使われ方が分けられます。
□ テカリ
衣類を複数回着用すると身体の動きにより常に特定部分へ
圧力、摩擦、張力、屈曲(折れ曲がる)などの負荷がかかります。
つまり着用により生地がつぶれ避けられない現象によるものをいいます。
□ アタリ
アイロンやプレス機の圧力で生地の表面の毛が寝たりつぶされる
というような仕上げに問題がある現象によるものをいいます。
○ 発生のメカニズム
テカリやアタリのメカニズムは、塗料やプリント写真に例えられます。
塗料とプリント写真は、その種類に「光沢」と「つや消し」という2つの種類が存在します。
では、「光沢」と「つや消し」の違いの仕組みはどのようになっているのでしょうか?
「光沢」は表面がツルツルになっており、光が鏡のように反射します。
一方「つや消し」はプリント写真では特に一目瞭然ですが凸凹が存在します。
「光沢」は光が鏡のように特定方向(ストレート)に反射することにより、
目で見て光を確認出来ます。
「つや消し」は光がデコボコによって散らばって反射してしまうため
目で見て光を確認出来ません。これにより、マット(ツヤの無い)な質感を認知します。
では、話をテカリ・アタリに戻します。
テカリやアタリが発生するのは生地がつぶれると説明しましたが、
より具体的に言えば…
・生地の表面の膨らみやデコボコ状態がつぶれて、平らで滑らかになった。
・繊維自体が摩擦によって擦り減ってしまい、平らで滑らかになった。
といった状態です。
○ テカリ・アタリの防止対策
着用によるテカリの発生は、主に着用摩擦などの外力によるものであり、
衣類を着用する以上避けることは出来ません。したがって
基本的考え方としては「テカリの発生を遅らせる」ことがポイントと言え、
出来る限り毎日連続して着用しないことやお手入れを欠かさないなど、
大切に着用することが必要といえます。
◇ テカリを目立たせない方法
テカリは摩擦により繊維がすり減るなどし生地がつぶれてしまうことが
要因であることから、着用する限り避けられないことは
ご理解して頂けたと思われますが、光沢を目立たせない方法はあります。
それは、毛羽のある衣服でも、グレー、ライトグレー、淡い色、
白色の製品はテカリが目立たないことが判明しています。
つまり、着用する衣服の色を、黒や紺などの濃い色の製品ではなく、
白っぽい製品であれば比較的目立ちにくいとされています。
しかし、生地がつぶれてしまうことはかわりがない為、外観状態は悪くなります。
また、毛製品であればこまめにブラッシングをし毛羽を起こすことにより
「テカリ」の初期状態にあるデコボコがすり減っている位置を変え光沢の感知を
軽減させることで目立たせなく出来ます。
□ アタリを発生させない方法
アタリはアイロンやプレス機による作用が原因であり、仕上げの技術や整備に
根本的な原因があると考えられます。仕上げの理論や素材の知識のないまま、
やみくもに自宅でアイロンをかけてしまうことで、アタリを発生させてしまうことや、
クリーニング店に頼んでもお店によって知識不足や設備不良が原因でアタリを
発生させていまうことも考えられます。
よって防止策としては技術の高く
信頼出来るクリーニング店にお願いすることがお薦めです。
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