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cleaning hoc 古着やヴィンテージ品について

古着やヴィンテージ品の注意しておきたいポイント


リサイクルや環境保護の観点などからバザーやフリーマーケットなどで
衣類を売買する機会がありますが、一方で古着屋、ヴィンテージ品専門
ショップのようなお店もあり、現在流通していない一点ものという部分
などに価値をおいた売買が行われています。また、親の形見といったように
何十年も前の衣類をクリーニングして着用するケースもあります。
そこで今回は、古い品物にも関わらず購入金額が高い古着やヴィンテージ品、
また親の形見などの思い出の品物といったように、一般的な衣類とは
異なる衣類をクリーニングに頼む際に注意しておきたいポイントをお伝えします。

○ 一般的に物には耐用年数というものがあります


例外もありますが、一般的にものの多くは永久に新品同様の状態を維持することは難しく、
いずれ使用するのに耐えられない状態になる!と考えられています。
そこで、世の中にある一つの指標が存在します。それが【法定耐用年数】
といわれるものです。この【法定耐用年数】というのは、実は会計の世界から
必要とされ生まれたものです。
資産価値は、一般的には、年数を経るごとに減っていきます。この様な資産を
【減価償却資産】といいます。例えば、パソコンや机などがこれにあたります。
そこで、税務申告するうえで減価償却資産の所得に要した金額は所得した時に
全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり
分割して必要経費としていくべきものと考えられています。
つまり、この使用可能期間に当たるものとして【法定耐用年数】が財務省令の
別表に定められています。
よって減価償却とは、減価償却資産の所得に要した金額を一定の方法によって
各年分の必要経費として配分していく手続きです。
話が脱線してしまいましたが、要するにものに対して
【一般的にどれだけ使用できるのか】の年数が【耐用年数】になります。

○ 衣類の【耐用年数】とは?


では、衣類にも【耐用年数】はあるのでしょうか? 定義としては異なりますが
似ている指標はあります。それが、クリーニング事故賠償基準で定められている
【平均使用年数】です。
平均使用年数とは、衣類などの使用開始からその使用をやめるまでの平均的な期間として、
クリーニング業界、学識経験者、各消費者団体、弁護士、流通販売業者、繊維業界、
保険業界、そして行政が一同に会して制定したものです。
衣類などの使用をやめる理由としては、流行遅れ、気飽きた、似合わなくなった、
サイズが合わなくなったなどの理由も含まれるので、【平均使用年数】は
単なる物理的に使用不能になるまでの期間と異なりますが、
クリーニングトラブルがおきた際に、賠償金額を算出するうえで適切な統一基準
として広く活用されています。

○ 古着や形見のお品物は経年劣化が進んでいるケースがほとんどです


古着や形見などの衣類は、一般的にはかなり昔に製造されていることから
生地やプリントの傷みが激しいケースが多いです。
その為、通常のクリーニング処理では耐えられない強度の物や、
剥離や風合変化を起こしてしまうことが考えられます。
つまり、難易度の高い処理になることから、お店によっては対応出来ない
場合もあります。

○ 万が一の場合、古着や形見は事故賠償基準では
  その主観的価値は考慮されない場合も!?


古着や形見は、いわゆる客観的価値ではなく【主観的価値】と捉えられます。
その為クリーニングトラブルが起きた場合、思い入れがおおきい形見であっても、
原則、事故賠償基準における客観的価値をベースに賠償が行われ、主観的価値は
考慮されない場合があります。

○ 例えば


大事な形見のお品物にもかかわらず【お客様から事前に申告が無い場合】
一般的な衣類と同様に処理が行われた結果、元々経年劣化で弱っていた
生地が破損してしまったトラブルが起きても、【購入時からの経過月数
と平均使用年数の割合で賠償金が考慮されることから】形見となると購入時から
相当経過しており、ご期待より低く算出される可能性が高いです。
古着や形見のお品物は、製造から大分年数が経過していることから
【生地や縫製など衣類が全体的に弱っている可能性が高く】通常のクリーニング
処理をすれば、破損してしまったり、風合が変わったりなどが起きやすいのは
想像に難しくないと思われます。つまり、古着や形見はどうしても
クリーニング処理上、難易度が高いものになります。
そして、万が一クリーニング処理でそのような破損が起きた場合においても
再所得金額である賠償額はあくまでも事故賠償基準が適用されるケースがあります。
そこで、【古着や形見など主観的価値が高い場合や代替えがきかないお品物を
クリーニングに出す時は、必ず相談し、万が一の場合に備えて特約を
お店と交わすようにして下さい。
つまり、一般的な衣類とは異なる価値や内容をお店側にしっかりと伝え、
万が一事故が起きた場合の賠償内容を書面に残すなどとした特別な契約を
交すことで後々のトラブルを防ぐことができます。
【古着や形見であることの申告がお客様から無い場合、トラブルになっても
お客様の望む賠償が行われないケースもあります】ので必ず下記のような申告を
クリーニング店に伝えるようにして下さい。

 例 「この洋服は古着で○○万円ぐらいした物なのですがクリーニング出来ますか?」

 例 「この洋服は母の形見でとても大切にしている物なのですがクリーニング
    出来ますか?」

○ ちなみに客観的価値のある古着とは


古着やビンテージの価値というのは、言わば売り手と買い手の間での
価値によって決まるといっても過言ではなく極めて曖昧ですが、客観的価値のある
古着というのは、美術館や博物館で展示されるような歴史的にみても社会的にみても
希少価値の高いものが当てはまると考えられます。



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