嘔吐物のクリーニングについて
近年ノロウイルスや感染性胃腸炎など蔓延しています。
また、これら感染症は患者さんの嘔吐物や排便から人を介し
二次感染したり、人同士の接触する機会が多い所で
人から人へ飛沫感染など直接感染する場合があります。
この様な感染症による嘔吐物はもちろん、
お酒の飲み過ぎなどで嘔吐し衣類に付いた場合でも、
実は法律上は一般のクリーニング店で洗うことは出来ないのです！！
この話をしますと驚かれますし、
本当は取り扱えたくないだけでしょ〜と言われますので
ちゃんと御説明したいと思います
クリーニング業法の第3条第3項第5号によると
営業者の衛生措置等として
「 伝染性の疾病の病原体による汚染のおそれのあるもの
として厚生労働省令で指定よる洗濯物を取り扱う場合において
その洗濯物は他の洗濯物と区分しておき
これを洗濯する時はその前に消毒すること。
但し洗濯が消毒の効果を有する方法によって
なされる場合においては消毒しなくてもよい。」
つまり嘔吐物、尿など汚物は汚染のおそれのあるものに該当し
洗濯する前に消毒する事が義務付けられていて、
クリーニング店には消毒の為の設備を有するお店と
有さないお店があります。（ 残念ながら当店は後者です）
では何処なら処置してもらえるの？かと言うと
消毒が必要な洗濯物 を業界では
『 指定洗濯物 』といい、
その様な指定洗濯物を取り扱う施設を
『 指定洗濯物取扱い施設 』といい、
行政への申請も必要な特別な施設になります！
そして、指定洗濯物を消毒する方法についても
『クリーニング所における衛生管理要領』
においても定義されています。
この様に汚物をクリーニングしようとする場合
消毒処置ができる設備を持つクリーニング店でないと
出来ないことからクリーニング店へ持ち込む場合は
必ず『 指定洗濯物取扱い施設』かを確認する必要があります。
では嘔吐物や汚物が付いた衣類はどのようにしたら良いか？
と言うと、一般家庭で感染者が使ったものや嘔吐物や
便が付いたものを洗濯する場合は先ず、
他のものと分けて洗浄や消毒して下さい！
「消毒の手順」
1 処理をする人は使い捨てのエプロンやマスクや手袋を着用します
2 下洗いは洗剤を入れた水の中で静かに揉み洗いします。
その際はしぶきに注意して下さい！下洗いの場所は
２００ppm次亜塩素酸ナトリウムで消毒後、洗剤を使って掃除機をする
必要があります。
3 下洗いをした衣類の消毒は８５℃で
１分間以上の熱湯消毒が適しています
または２００ppm次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効です。
4 消毒後、他のものと分けて最後に洗濯して下さい。
5 使用した手袋やマスクなどは周囲を汚染しない様にビニール袋などに
密封して廃棄します。
〈 出典 〉 ノロウイルスに関するＱ＆Ａ
厚生労働省
◎ クリーニング店からのお願い！！
クリーニングを利用する際何も言わず汚物の付着した洗濯物を
他の被洗濯物で丸めて分からない様に持ち込まれたケースがありました。
クリーニング店であれば何でも洗える訳ではありません
著しく汚れがあれば、汚物ではなくても店員へ伝えると
適切な処置が受けやすくなります！ また汚物であれば感染症の
感染を促す加害者になり得るので店員に一言伝えましょう。
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